予防歯科について
予防歯科とは虫歯を削ってつめるのではなく、むし歯ができない・歯周病が発症・進行しない環境をつくるための処置です。
「歯が痛くなったから歯医者に行こう。」と思われている方が多いと思います。ですが、その考え方は非常に危険です。
なぜなら、虫歯や歯周病は初期段階で症状を自覚できることはほとんどなく、痛みなどの症状が出た段階ではすでにかなり進行してしまっている可能性があるからです。
検査・リスク評価に関して
まず最初に「歯周ポケット」の深さを計測し、お口の中の状態を検査します。そしてスケーラーという器具でプラーク(歯垢)や歯石を除去し、専用のパウダー入りのペーストで取れる限りの色を落とします。
PMTCという専用の器具により徹底した歯のクリーニングを行い、歯の表面をつるつる仕上げ、再度汚れをつきにくくするものです。
また、日常的にどのような歯磨きの仕方をしているのかをカウンセリングを通してお聞きし、歯の磨き方が不十分な方には磨き方のコツや、デンタルフロス、歯間ブラシの使い方などをわかりやすくお伝えします。
検査終了後は、検査の結果を考慮して、大体1ヵ月程度で経過の確認をします。
重度の方は月2回、良好な方は数ヵ月ごと、あるいは半年後ごとに来院していただき、定期的にお口の状態を確認させていただきます。
食生活で気をつけるべきこと
お口の中の健康を保つために、気をつけていただきたいことが何点かあります。まず、間食をなるべく抑えるということ。食事を摂る回数が多くなるほど、歯にプラーク(歯垢)がたまりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
特にだらだらと食べ続けるのは良くありません。間食はなるべく控えるようにしましょう。そして、糖分の取りすぎに注意するということ。
糖分は虫歯菌のエサとなります。砂糖入りの飲み物を1日に何度も飲む習慣がある、砂糖入りの飴やガムなどを食べることが多い、という人は気をつけましょう。
また、食事中の糖質にも同様に注意が必要です。バランスのとれた食事を心がけましょう。最後に、寝る前に食べないということ。
夜食をとる習慣があると、たとえその後に歯磨きをして寝たとしても、虫歯や歯周病のリスクが高まります。睡眠中は唾液の分泌が大幅に減少します。そのため眠っている間というのは、唾液による自浄作用が落ちてしまいます。
歯磨きでは100%汚れを取り切ることは不可能なので、磨き残しによる虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。お口の健康を維持するため、一度ご自身の食生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。
改善すべき生活習慣はなんですか?
お口の健康を保つため改善すべき生活習慣を何点かお伝えします。代表的なものは過度な飲酒や喫煙がありますが、その他にも口呼吸やストレス、歯ぎしりなどがあります。
口呼吸に関しては鼻でなく口で呼吸をすると、口が乾いて細菌が繁殖しやすくなります。
癖で口呼吸になっている場合には、意識して鼻呼吸するようにしてください。
そして次にストレスです。人間はストレス状態になると、お口の唾液が分泌されなくなります。また、夜間の歯ぎしりが起こりやすくなり、歯や歯の周囲の組織を傷めてしまいます。ストレスを溜め込まず、適度にストレス解消することを心がけましょう。最後に歯ぎしりです。
就寝中に歯ぎしりをしている場合、意識してやめることはできません。歯ぎしりをする人は保険で歯ぎしりから歯を守るマウスピースを作ることができますので、ご相談ください。
定期検診について
予防歯科とは虫歯を削ってつめるのではなく、むし歯ができない・歯周病が発症・進行しない環境をつくるための処置です。
「歯が痛くなったから歯医者に行こう。」と思われている方が多いと思います。
ですが、その考え方は非常に危険です。なぜなら、虫歯や歯周病は初期段階で症状を自覚できることはほとんどなく、痛みなどの症状が出た段階ではすでにかなり進行してしまっている可能性があるからです。
定期健診を行うメリット
「毎日、歯を磨いているのに虫歯・歯周病になるのはどうしてですか?」患者さんからよく聞かれる質問のひとつです。
毎日の歯磨き習慣は大切な「治療」の1つです。しかしながら、それだけでは虫歯・歯周病の予防ができないのも事実なのです。
お口の中には日々の歯みがきでは除去しきれない「バイオフィルム」と呼ばれる強力な汚れがあります。この「バイオフィルム」を除去するためには、歯科医院で定期的にPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる“プロによる機械を用いた歯のクリーニング”を受ける必要があります。
定期健診でやることは?
定期検診にご来院いただいた時、まずお口の中の全体的なチェックをさせていただきます。歯茎の炎症の状態、歯と歯茎の境目の溝(歯周ポケット)の深さなどチェックし、虫歯が無いかを確認していきます。
定期健診の流れ
1.歯石の除去
お口のチェックが終われば専用の機器を使用して歯石の除去を行います。
2.歯の表面を磨く
歯石の除去が終わったら、歯の表面を磨き、汚れがつきにくい状態にします。
3.検診・歯磨き指導
検診の結果虫歯が発見された場合は治療となります。また、歯磨きの時の磨き残しが多い場合などは歯磨きの仕方をお伝えいたします。
定期健診はどのくらいのペースで通うのが良いのか
お口の中の状態にもよりますが、半年に1回ぐらいの間隔で再度検診にご来院いただくことが多いです。(3ヶ月に一度。1年に一度など、お口の状態によって検診のペースは様々です。)
クリーニングについて(スケーリング)
歯についた歯石を、「スケーラー」と呼ばれる専用機器・器具を用いて除去することを『スケーリング(歯石除去)』と言います。
歯周病の治療を進めていく上で最も大切なことはプラーク(歯垢)をしっかりと取ることなのですが、歯石(プラークが石灰化したもの)の表面はザラザラしているためプラークが付きやすく、付いたプラークが落ちにくくなります。
スケーリング(歯石除去)することでプラークが付きにくい状態にし、歯周病などを予防し、口腔内を改善させます。歯石は歯磨きでは除去することが出来ない上、90パーセント以上の人にあります。
しかも、歯石は一度除去してもしばらくすると再形成されるため、定期的に歯科医院で除去してもらう必要があります。
クリーニングの流れ
ご家庭での歯みがきでは除去できない歯石を専用の器具を使用して除去します。
どれくらいの頻度でクリーニングを
受けるのが良いか
お口の中の状態によって変わってきますが、一般的には3ヶ月から半年に1回のクリーニングが必要となります。
歯ブラシ、フロス、歯間ブラシの使い方
歯の向き・生え方・形状は、1本いっぽん違っています。特に日本人の歯は丸みを帯びているため、平面を磨くのとは違って磨き残しやすく、磨く箇所に応じて適切な歯ブラシの当て方や動かし方が求められます。
当院ではTBI(Tooth Brushing Instruction)という患者様のお口の状態に合った適切な歯磨きの方法をお伝えし、 正しい歯の磨き方やコツを習得することによって、効果的にプラークを除去できるようになります。
歯石・バイオフィルムとは
歯石について
歯石とは、以前もここで出てきましたが、要するに歯垢(プラーク)が石灰化したものです。歯石の成分は一般的には, 無機成分が約 50%, 有機成分が約30%,そして水分が約20%と言われてます。
歯石自体には毒性はありませんが、顕微鏡で見てみると多孔質で要するにばい菌の格好の住処になってしまいます。
バイオフィルムとは
バイオフィルムとは微生物の集合体のことです。数種の細菌がコミュニティーを作って増殖した膜状のもので、細菌が外的要因(薬剤、体内の免疫反応、口腔内の環境変化など)から身を守るために作ります。
台所や風呂場の排水口や川底の石にヌルヌルとした膜ができることもありますが、あれがバイオフィルムです。
PMTCについて
PMTCとは
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医院で専用の器具を用いて行う歯のクリーニングのことを言います。
1.歯石の除去
まず、スケーラーを使用し、お口の中の歯石を除去します。
2.歯を磨きます
PMTC用の歯面清掃剤を使用し、専用の器具を使って歯の表面を磨きます。歯の状態に合わせて研磨剤を使い分け、歯の表面や歯間部など、部位に応じた清掃器具を使用して磨きます。
これにより、歯と歯の間や歯磨きが届きにくい箇所の汚れも、しっかりと除去することができます。
3.フッ素塗布
最後に歯面の汚れを除去した後、むし歯予防のため、フッ素塗布を行います。