歯周病治療について
歯周病治療では「プラークコントロール」が重要となります。歯周病は歯垢(細菌)が原因で発症・進行していきますので、これを上手にコントロールすることが歯周病の進行を止める第一歩となります。
プラークコントロールには「セルフコントロール」と「プロフェッショナルコントロール」の2つがあります。
「セルフコントロール」とはご自宅でご本人様が行って頂くものです。ブラッシングなどの日々のお口のケアがこれにあたります。
「プロフェッショナルコントロール」とは、歯科医院側が行うものです。日々のブラッシングでは取り除けない歯石・歯垢・バイオフィルムを除去することは当然ですが、それ以外にも患者様がお口のケアをしやすい環境を整えることがこれにあたります。
歯周病になる原因とは
歯肉炎・歯周炎を含む歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢(プラーク)は生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に潜んでいます。
この歯垢(プラーク)中の細菌が出す毒素によって、歯ぐきに炎症が起きてしまうのです。
歯周病になりやすい人とは
代表的なものは過度な飲酒や喫煙がありますが、その他にも口呼吸やストレス。歯ぎしりなどがあります。
歯周病セルフチェック
歯周病は、自分で気づかないうちに進行してしまう恐ろしい病気です。歯や歯ぐきの状態を観察してみましょう。
- 歯ぐきに赤く腫れた部分がある
- 口臭がなんとなく気になる
- 歯ぐきがやせてきたみたい
- 歯と歯の間にものがつまりやすい
- 歯を磨いた後歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混ざることがある
- 歯と歯の間の歯茎が鋭角的な三角形ではなく、うっ血してブヨブヨしている
- 時々歯が浮いたような感じがする
- 指でさわってみて、少しぐらつく歯がある
- 歯茎から膿が出たことがある
歯周病と全身疾患について
歯周病と口臭
口臭の原因としてよく上げられるのが歯周病です。過去の研究で歯周病と口臭の間には高い相関性があることが知られています。歯周病の特徴は歯周ポケットができることです。これは口の中の細菌の格好の住みかを提供します。
細菌の中でも嫌気性菌は代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンを産生します。これが口臭のもとになります。
歯周病の抜歯について
歯周病は細菌によって歯を支える骨が溶けてしまう病気です。
むし歯のように、歯そのものが悪くなるわけではないので、「抜かなくても・・・」と思いますが、歯がぐらぐらするほど歯周病が進行=そこにはたくさんの細菌が生息しているということであり、その歯をそのままにしておくと、周辺の健康な歯までもが歯周病に侵されてしまう恐れがあるのです。
そのため、歯周病でぐらぐらになった歯は将来のお口の健康のために抜かなければなりません。
歯周病治療の流れ
1.検査
まず検査を行って歯周病の進行度を調べます。
2.歯垢の除去
次に歯みがき指導や歯石除去により歯垢の除去を行います。
重度の場合は検査や歯石除去を繰り返しますが、歯周ポケットが減少しない場合は歯周外科を行うことがあります。
3.メインテナンス
治療後はメインテナンスを行い安定した状態が続くよう努めます。
精密歯周病検査について
歯周病検査には「歯周基本検査」と「歯周精密検査」があります。
この二つの検査には、歯周精密検査の方がチェックするポイントがより細かく多いという違いがあります。
歯周病の予防について
歯科医院でできること
歯周病の原因は歯垢(プラーク)です。プラークがたまらないようにすることが基本です。そのためにはまず、正しい歯磨きの方法を知ることが大切です。
しかし、正しく磨いているつもりでも苦手な部分や自分では磨きにくい部分があったり、各個人の歯ぐきの状態によって、微妙に磨き方が異なっていたりします。
定期的に歯医者さんに行って、正しく歯ブラシができているかチェックしたり、磨きにくい部分の専門的な口腔内の清掃、そして口の中の良い環境をつくるために歯石除去を行うと良いでしょう。
自宅でできること
毎日丁寧に歯を磨くなどの生活習慣はもちろん、歯医者さんで歯科医師や歯科衛生士から歯ブラシ・歯間ブラシやデンタルフロスの正しい使い方を指導してもらうことが大切です。
歯と歯茎の間の歯周ポケットに入り込んだ歯垢を確実に取り除きます。毎日正しい歯磨きができるかどうかによって歯周病の発症や進行を防ぐことができるのです。